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​作品紹介

『あたしゃね、お前さんのそのおケツを玉座に乗っけてみたいんだよ』 

 ーユビュおっ母(1幕第1場) ー

 この度、玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科/演劇・舞踊学科2021年度秋学期演劇公演ではアルフレッド・ジャリの『ユビュ王』を上演いたします。今回の演劇公演は、登場人物の醜悪さを誇張された動きで戯画的に表現し、色彩豊かな空間と時代やジャンルを超えた幅広い音楽によって、コミカルに描いています。まるで夢の中にいるような不思議な感覚をぜひお楽しみください。 

【作家と作品】 

 アルフレッド・ジャリ(仏:Alfred Jarry, 1873-1907)は19世紀にフランスで活躍した劇作家・詩人です。グロテスクな表現によって、社会への批判を描くような作品を多く残しています。 

 彼の代表作『ユビュ王』(仏:Ubu Roi, 1888)は、悪意に満ちた卑劣な政治家を低俗喜劇として描いた風刺劇です。主人公は実在の教師がモデルとなっており、1896年にパリの制作座で初演されました。20世紀半ばに興った不条理演劇に通じる過激で不合理な物語は、ジャリ作品の先駆性の表れと言えます。 

【あらすじ】
下品で臆病なユビュ親父は、強欲な策士ユビュおっ母に唆されボルデュール大尉と結託し王を暗殺。ポーランドの王となったユビュ親父は不当な処刑、増税とやりたい放題。極悪非道の限りを尽くす。一方で、国を追われたブーグルラス王子は民衆を鼓舞し共に一族の再興に向かう−− 

【本公演の魅力】(演出ノートより) 

 

■ 俳優の挑戦と視覚的なステージづくり 

21世紀を生きる学生が現代ヨーロッパの演出法と俳優トレーニングを活用して、120年以上前に書かれた作品へ命を吹き込むことに挑戦します。本公演はサーカスに見立てた舞台空間と俳優の戯画的な身体表現を用い、想像力が掻き立てられ、視覚的にも楽しむことができるでしょう。 

■ 宣伝ポスターについて 

『アジテーター』(英:The Agitator, 1928)は20世紀ドイツの風刺画家・ジョージ・グロス (George Grosz, 1893-1959)の傑作で、扇動者を皮肉的に描いた絵画作品であり、その世界観が今回の演出と宣伝美術デザインにインスピレーションを与えました。アジテーターの血に染まった服はユビュ親父の残虐非道な性格を想起させます。 

【相関図】

相関図.png
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